研究概要

帝京平成大学 日置研究室
Teikyo Heisei University Hioki Lab

研究室の2つのミッション・目標

1. 健康への役割

私たちの研究室では、生体組織の中で最大の組織である骨格筋に注目し、その代謝物質の機能や変化について研究を進めています。骨格筋の代謝物質(クレアチンリン酸、糖、脂肪)は、ヒトの身体活動や運動時における重要なエネルギー源です。一方で、不活動や過食によって、筋肉や肝臓などに脂肪の蓄積が認められることがあります。このような状態は、生活習慣病の発症要因の一つとして知られています。ヒトの代謝は日常の生活習慣に大きく影響を受け、個人によって異なります。私たちは、食事・運動・年齢など多様な背景をもつ方々を対象に骨格筋代謝計測を行い、健康維持と増進に貢献する研究を推進しています。

<代表的な文献と学会報告>

  • 日置, 梅田, 福永. 7T 1H-MRSによるヒト骨格筋タウリンのin vivo検出. The 9th ISMRM Japanese Chapter, 2024
  • 日置, 梅田, 福永. 7 T 1H-MRS によるin vivo ヒト筋細胞内脂肪酸の検出. The 8th ISMRM Japanese Chapter, 2023
  • Hioki M, Takahashi H, Saito A, Imai M, Yasuda H. Effect of electromyostimulation training on intramuscular fat accumulation determined by ultrasonography in older adults. European Journal of Applied Physiology 123(2)271-282, 2023

2. アスリートへの競技力向上のための提案

アスリートにとって、競技力を向上させるためには骨格筋代謝の評価が重要です。骨格筋代謝物質は、外科的侵襲を伴わない計測法である磁気共鳴分光法(MRS: Magnetic Resonance Spectroscopy)によって解析することができます。近年、超高磁場7テスラ(7T)MRSの発展により、これまで検出が困難であった骨格筋代謝物質の同定や定量が可能になりました。私たちの研究室では、7T MRSを用いて骨格筋代謝物質の同定および定量評価を行っています。また、運動に伴う骨格筋代謝物質の変化を追跡し、アスリートの運動負荷に対する代謝応答を解析しています。さらに、運動後の回復過程を評価することで、回復能力の指標として応用できる可能性があると考えています。これらの研究成果をもとに、個々の選手に合わせたフィードバックを行い、競技力向上に資する提案を目指しています。また、この研究成果は代謝疾患の予防や改善への応用にもつながることが期待されます。

<代表的な文献と学会報告>

  • 日置, 梅田, 河合, 福永. 7T 1H-MRSによる持久系アスリートランナーの運動とリカバリー中の 骨格筋脂肪代謝の評価. 第53回日本磁気共鳴医学会, 2025
  • 日置, 梅田, 福永. 3T 1H-MRSによる運動とリカバリー中の骨格筋脂肪代謝変化の評価. 第52回日本磁気共鳴医学会, 2024